見かけによらずサバサバしていたこれぞ"ザ・綺麗なお姉さん"のような人 ～石橋 美香の物語～

火曜日の夜、渋谷はモデルハントをする美容師で溢れかえっている

きっと彼女も美容師なんだろうな、と少し離れたところから見ていた

最近は長めのワンピースを着ている人を街でよく見かける中、ショート丈が目に焼きついて

お淑やかなレディを連想させる後ろで一つ結びにされたセンター分けも、足元のコンバースも、

そしてその紐の結び方さえも印象的で(小さい頃踏まないようによくこんな風にしてた)

街ゆく人を真剣な目で見つめる彼女になぜか釘付けになった

だけどしばらくするとケータイを取り出し飽きたような仕草を見せ

なかなか顔を上げないな～なんて思いながらも

やっぱり彼女から目が離せず少しワクワクしながら思い切って声を掛けた

福岡から出てきたという僕よりもほんの少しだけ年上のスタイリストさん

あまりモデルハントはしないし、予想通りというかやり始めても長く続かないらしい(笑)

「決まった場所にずっと立っていられなくて、だから歩きながら可愛い人がいたら、みたいな感じです」って

だからこそ声を掛けたタイミングは「そこしかない」絶妙な瞬間だったことをラッキーに思った

スタイリストになって、やっと最近楽しいと思えるようになってきて

福岡じゃ同じ美容師でもやりたいことがやれなかったから、やっぱり東京に出てきてよかったと言っていた

忙しいことも、ときに上手くいかないことも充実している証だと捉える彼女のポジティブな性格が

きっとたくさんの人が挫折してしまうような東京の街でも継続できている理由なのかも

「難しい...」と言いつつも丁寧に書いてくれたアンケートを見返すと

最後のコメントの欄には”東京で人気者になりましょー”と書いてくれ、可愛らしい一面を

帰り際に話してくれたちょっとした不満がサバサバしてて好感を持てた一面を

1人しか呼ばないらしいけどあだ名を聞いたら”ドングリ”というおちゃめな一面を
それぞれ予想外な一面を発見することができた(これだから人間って面白い)

そして本当にたまたまなんだけど今日7月3日は彼女の誕生日だって昨日知って
人の誕生日なのになんだかこっちまで嬉しくなっちゃったし、何気ない日々でもかけがえないことを思い知った
全てのことはタイミングなんだ、偶然も必然なんだ、だから毎日を大切に生きたいって思う
そして上手くいかない日もあるけど人生はきっとハッピーエンドのくり返しのようなものだと信じたい
誕生日おめでとうございます！素敵な一日、一年、一生でありますように