2014/07/11

汗だくになるような晴れた日の夕方に涼しげな色合わせをする女性と ~斉田 しおりの物語~









連日続いた雨、そしてどんよりとした曇りの日の合間
この日は太陽が燦々と照りつけ、少し歩くだけでも汗をかく
「暑い、暑い」が口癖になるような日の夕方にひょっこり現れた人

見た瞬間になんとなく夏の風物詩、金魚が思い浮かぶ
目がいく色合わせ、水色、黄色、オレンジがとても涼しげだ
クリっとした目とキュートな口元、話し方は想像通りというか穏やかでのほほんとしてた

都内に3店舗あるACQUAというサロンの美容師さん
静かそうな外見とはうってかわって音楽はロックが好きで
「自分で言うのもなんですけど、厳しいですよ」と言っていた
(厳しいというのはつまり、仕事もしくは仕事仲間に対してだ)

僕はどちらかというとゆるい話し方は好きだったんだけど
対お客様に置き換えたときに彼女は自分の話し方を気にしているみたい
「どうやったらキビキビ話せるんですかね?」とこぼしていた

状況や条件によって、人の良さというのは”良さ”として認めてもらえないときがある
声や話し方、歩き方、作法、様々なものが全て揃って初めて自分という枠組みになる
変えようと心掛けてもどうしようもないこともあり、とても悩ましくもある

「こういうパステルな色合いが好きだけど、ふわふわしたイメージになっちゃうから
かっこいい女性に見た目だけでもなろうかなって」
「ほら、例えばシルエットとか材質?とかによっても服の印象は変わるし」と
屈託のない笑顔と前向きな姿勢がまぶしかった、そんな夕暮れ時