2014/04/15

セットアップスタイルの多い彼だけどこの日はちょっと違って ~T.の物語~










最近友人の紹介で知り合ったT.くん
実は年上なんだけど、なんだかそんな感じがしないほどエネルギッシュでパワフル
若さが売りなんじゃないかってくらい活動的で何よりとっても親しみやすい
みんなに可愛がってもらえる弟みたいな(実際は僕に弟なんていないけど)
彼のキャラもあってか、どんどん交友関係を広めているみたいでとても羨ましい
最近スナップなどでも引っ張りだこだし純粋に注目しているのが本音

出会ったときからセットアップスタイルがメインの彼なんだけど
ただ何かもうひとひねり欲しいなってちょっと辛口に見ていたところがある
決まり切った王道が嫌いなワケじゃない、でも彼にはその先を見てほしかった
「いつもカッチリは飽きてきたからハズしてみようかな?」って
より自分らしいスタイルを考え付くポテンシャルの持ち主だって信じていたから

そういう意味でこの日のスタイルは彼が一歩先に進みだした感じがして新鮮だった
3ピースのセットアップだからジャケットでかっこよくキメることもできたはず
だけどusedのブルゾンで軽くハズす、それだけで一味も二味も違って見えるんだ
彼にとってファッションがこれからもっともっと楽しくなる、そんな予感がしてる

いろんなことに興味はあるものの一つのことに熱中してしまう性格で
今まではずっとバンドでドラムをやっていたらしい
でも最近あることをきっかけにファッションの分野にも力を入れ始めて
そしたらトントン拍子にいろんな話が舞い込んできたらしく
「あぁ、こういう人がひょいって成功していくんだろうな」と才能を目の当たりにしている

ドラムを真剣にやり始めたキッカケは彼がコピーバンドを始めたあるグループがあって
その人たちのコンサートに行ったときに本物が演奏していることに涙したことが一番大きいみたい
その涙は”嬉しい”でもなく”悲しい”でもない”無”の涙
つまりそれは”感動”に近い、でも”感動”と呼ぶにはあまりに軽率な、そんな名も付けれぬ感情だ
そのときに彼は「あっち側の人間に絶対なりたい」と強く心に誓ったらしい
「自分も誰かに影響を与えたり、感動を与える人になりたい」と

それは今も変わらず彼の中に根強く残っているパワーの源
誰かに何か影響を与えるなんて誰にでもできることじゃない
だけど諦めることなく自分の道を突き進んでいくことでしか存在証明も出来ない
限られた人間にしかできないことだからこそ意義がある
彼にはその限られた人間になってほしいと本気で思っている
成長のスピードが速い分もしかして苦労もするだろうけど”イイ男”になってね